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- 良い夢よりも悪い夢を見る方が多い
- なぜ悪い夢を見ることが多いのか?
- 夢の中で問題解決を行っている
- 日常のストレス以外の悪い夢を見る原因
- 『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』
- すてきな夢を見る方法
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1日のやる気は夢次第といってもいいほど、朝起きた時に記憶している夢の良し悪しは重要です。
たとえば、前日にパートナーと喧嘩をしたとしても、夢の中で仲直りをしていたら、実際に仲直りができそうな気持になれます。そして、仲直りをするために頑張ってみようと思えるでしょう。
しかし、夢の中でも喧嘩が続いていたら、もうだめかもしれない、別れるしかないのだろうかと考えてしまうかもしれません。翌日は、パートナーに声をかけるのも気が引けてしまうことになりそうです。
できれば毎日、嬉しい、楽しい良い夢を見て目覚めたいものです。
良い夢よりも悪い夢を見る方が多い
一週間を振り返って、良い夢を見た日が何日ぐらいあったかを思い出してみてください。
「良い夢を見たかなあ」と考えてしまう人や「1回ぐらい」と答える人が多いと思います。「あんまり覚えてない」「夢を見ていない」という人も少なくはないでしょう。
実は、良い夢より悪い夢を見る方が圧倒的に多いのです。その人の状況や環境にもよりますが、平均すると8割以上が悪い夢だといわれています。(写真①)
良い夢よりも悪い夢を多く見る原因は、人間だからです。人は、喜びや楽しさよりも不安や恐怖を記憶する傾向が強いのです。
ですから、嬉しい夢や楽しい夢を3日続けて見ることができたら、とてもハッピーだと思っていいでしょう。
なぜ悪い夢が多いのか?
悪い夢を見る原因の多くはストレスです。
私達は、日々、仕事や家事、育児など日常生活のあらゆる場面でストレスを感じています。(写真②)
ストレスに感じていると、辛い、悲しい、怖いなど負の感情を呼び起こします。
実際にあった悪い出来事が、そのまま夢に影響することもありますし、まだ結果が出ていないことでも不安な感情があれば、それは夢に反映します。
もし、ストレスがない状態であれば、印象に残るような悪い夢は、ほとんど見ないようです。
悪い夢をたくさん見るという人は、ストレスを感じることが多いことを意味します。
夢の中で問題解決を行っている
誰しも家庭や仕事のことで思い悩む経験や失敗、後悔は大なり小なりあると思います。
私達は、自分が好ましくない経験や結果が起こるリスクを頭の中でシミュレーションし、そうならないためにはどうしたらよいかを考えることがあります。それは、夢の中でも行われています。つまり、夢の中でも問題解決に向けて考えているわけです。(写真③)
夢の中での問題解決の過程で、“こうなったらリスクがある”“こういう場合は、もっと悪い結果になってしまう”というように、あれこれ考えを巡らせている中で、不安や恐怖という負の感情が悪い夢として表れてしまうのです。
でも、不安や恐怖などの負の感情がありながらも、“こうすればどうにかなるかも”“この方法なら大丈夫かも”という前向きな考えが浮かんでくれば、悪い夢も最後は安心感のある夢に変わっていきます。
たとえば、ものすごく仕事が多忙で時間に追われている場合は、誰かに追われている夢を見ることがあります。その誰かが、殺人鬼や妖怪、あるいは巨大な熊だったりします。しかし、追われている途中、運よく隠れる場所があり、殺人鬼や妖怪は通り過ぎてしまうといったギリギリセーフのような夢は、まさに、“どうにかなるかも”という考えが反映しているのかもしれません。
自分の頭の中で問題解決しようとする思考のある大人の場合は、夢の中で、巨大な熊に追われて食べられてしまったという結果にはまずなりにくいでしょう。
けれども、幼い子どもの場合は、現実で自分の身に起こった悪い出来事に対して問題解決ができない場合もあります。
たとえば、幼稚園児が親に強制されて小学校受験をする場合などがそうです。勉強の仕方もよくわからない。勉強するより友だちと遊びたい。塾へ行きたくない。けれども親が怖くて逆らえない。親に受験したくないと言いたくても口に出せない。このような場合は、夢の中でも解決策を探ってはいるものの、その方法が見つからず不安や恐怖だけが悪夢として表れてしまうわけです。
眠っている時に叫び声を上げることや、化け物に襲われる夢を毎日のように見るというのは、経験値の低く問題解決能力の乏しい幼い子供に多いのです。
ストレス以外の悪い夢を見る原因
ストレスによる不安や恐怖の感情が悪い夢を引き起こしていますが、その他の原因もあります。
たとえば、過去あった病気や事故の強烈な記憶です。今は、すっかり忘れていると思っていても、強烈な記憶というものは、完全に忘れ去ることができません。ですから、日常のストレスによる不安や恐怖の感情が、時々、昔の病気や事故の記憶を呼び起こすことがあるのです。
その他にも寝不足やお酒の飲みすぎも悪夢の原因になりますし、降圧剤や抗うつ剤、抗ヒスタミン薬の副作用も原因になりえます。(写真④)
また、十分に眠る時間をとっていても、起きた時にまだ眠いと感じる場合や熟睡できないという人は、睡眠時無呼吸症候群の可能性も疑ってみた方がよいでしょう。
睡眠時無呼吸症候群は、眠っている間に一時的に呼吸が止まり、無呼吸状態を繰り返す病気です。無呼吸になるということは、体内の酸素が低下しますので苦しくなります。その苦しさで実際は、一瞬目が覚めているのです。しかし、目が覚めていることに気づかないことも多いので、自分が睡眠時無呼吸症候群を疑わない場合があります。
睡眠時無呼吸症候群の人は、睡眠中に低酸素状態を繰り返すので、何度も「苦しい」と感じるため、悪い夢を引き起こします。低酸素状態を繰り返す回数は、多い人で1時間に数十回といわれています。一晩に何十回も悪夢や叫び声、いびき、寝言を繰り返します。
『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』
睡眠には、『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』があります。
『レム睡眠』は、身体を休める睡眠で、脳を休めるのが『ノンレム睡眠』です。私達は、眠っている間に、『レム睡眠』と『ノンレム睡眠』を繰り返しています。
『レム睡眠』中は、身体は休んでいますが、脳は活動しています。脳の中には『扁桃体』という感情をつかさどる部分があります。『レム睡眠』中は、その部分が活発に活動しているので、さまざまな感情を呼び起こします。
平均して一晩に『レム睡眠』は、3~5回ほどやってきます。そのたびに夢を見ていますが、そのほとんどは忘れることが多いです。しかし、不安や恐怖、あるいは病気や事故などの記憶の感情からくる悪い夢は印象が強いので、目覚めた時に覚えているのです。
すてきな夢を見る方法
できれば毎日、嬉しい夢や楽しい夢を見たいものです。そんな素敵な夢を見る方法をご紹介いたします。
十分な睡眠時間をとる
寝不足は、悪い夢を見る原因の1つです。睡眠時間をたっぷりとりましょう。体質にもよりますが、少なくとも6時間以上はしっかり睡眠をとることがおすすめです。
眠りが浅い時やなかなか寝付けない時には、布団や枕を変えてみることやアロマを使ってみるのもいいでしょう。
眠っている間に、脳が解決策を導き出そうとしていますから、十分に睡眠時間をとることは大切なのです。
決まった就寝と起床時間にする
仕事の関係で日勤、夜勤が繰り返す必要がある場合は、決まった時間に就寝や起床することは難しいかもしれませんが、できるだけ、同じ時間帯に就寝し、起床することが好ましいです。その理由は、1日を過ごすリズムが安定するためストレスが軽減されるからです。
ストレスが軽減されれば、悪い夢を見る可能性も減ります。
就寝前に見たい夢に関する情報を思い浮かべる
海外旅行を楽しむ夢が見たい場合は、眠る前に海外の景色を雑誌や動画で視ることや、頭の中で旅行を楽しんでいるイメージを浮かべると夢にそのイメージが登場する可能性が高まります。(写真⑤)
また好きな人とデートしたい場所を想像しながら眠ると、楽しくデートしている夢を見ることができるかもしれません。
心配ごとはいったん忘れる
心配なことは、とりあえずいったん置いといて・・・という気持ちになりましょう。「また明日考えよう」という気持ちになれたらいいですね。
好きな音楽を聴いて、心配事から気持ちをそらすのも良いでしょう。
心配事、愚痴を吐き出す
心配事や不満がある場合は、家族や友人に吐き出しましょう。誰かに愚痴を言うと気分がすっきりします。
愚痴を言う相手がいない、あるいは家族や友人に迷惑がかかりそうだと思う場合には、カウンセラーや占い師をたよってみましょう。
日本では、カウンセラーに相談するには予約が必要であることや、その予約がなかなか取れない場合もあります。カウンセラーへの相談はハードルが高いなあと思う人は、占いを利用するといいと思います。
スマホで検索をすれば、占いの情報は簡単に出てきます。電話では家族に声が聞こえてしまって相談しにくいという人は、LINE占いなどLINEのやりとりで相談できるものもあります。
占いは、占ってもらうだけではなく、気持ちを聞いてもらうことや愚痴を言いたい時に利用していいのです。
日常のストレスからくる不安や恐怖などの負の感情をそのままにしておくと悪い夢を見やすくなります。日頃から適度にストレスを発散し、睡眠を十分にとることを心がけるだけでも、素敵な夢を見る可能性が高まります。
さっそく今晩から眠る前に見たい夢をイメージしてみてください。嬉しい夢、楽しい夢が、明日の活力になることでしょう。