『喜びは現実、不安は想像』
好きな人ができると、嬉しくなったり、悲しくなったり、さまざまな感情が湧き上がります。
嬉しい時には「なぜ嬉しいのだろうか」と真剣に考える人は少ないでしょう。
たとえば、好きな人と遊園地でデートをした時に「乗り物に乗って楽しかった」「一緒に食べたクレープは美味しかった」「手をつないで嬉しかった」と感じても、「乗り物に乗って楽しかった理由がわからない」「なぜ楽しいという感情が湧いたのだろうか」と深く追求することはあまりないでしょう。
つまり、喜びの感情は、現実にあったことに対して自然に湧いてくるものなのです。
その一方で、不安な感情は「悲しい」「辛い」「なぜ、こんなに不安なのだろうか」「もう自分のことを好きではないのかもしれない」「他に好きな人ができたのかも」と感じ、その理由を探そうとしてしまいます。
つまり、心の苦痛そのものよりも、苦痛の理由がわからないことの方が耐えられないからです。そして、理由がわからないのに、勝手に想像して理由をつけ、さらに苦痛を増幅させてしまうのです。
『恋愛は平等ではない』
近年、ジェンダー平等社会を目指す世の中になりました。ジェンダーとは、「男性はこうあるべき、女性はこうあるべき、するべき」と、みんなが無意識に決めつけている女性と男性の違いを指します。
ジェンダー平等の考え方を恋愛に取り入れると、男性も女性もお互いに愛情を持ち、その感情には差があってはいけないとなるのでしょうか。
ですが、恋愛というものは、なかなか平等にはならないものです。
どちらか一方の愛情が強い場合や、実際はどちらも同じくらい愛情深いのに一方が相手の愛情に不安を感じる場合もあります。
占いの依頼という観点からすると、圧倒的に女性が相手の愛情に不安を抱える場合が多いです。ただ、実際は男性も不安を抱えているのかもしれませんが、誰かに相談することや占うことへの抵抗が女性より強いのかもしれません。
どちらにせよ、恋愛とは、2人の感情や立場が平等になりにくいものです。
『愛されていると実感できない時』
女性も男性も恋愛に対して不安になることはありますが、ここでは女性についてお話しします。
占いのご相談で多い悩みが「彼の気持ちがわからない」というものです。つまり、“あること”がきっかけで、彼から愛されていると実感できなくなってしまったという悩みです。
たいてい、その“あること”というものが曖昧な場合や想像が多いように感じられます。もちろん、彼からはっきりと「愛情がなくなった。別れてほしい」と言われればその通りかもしれません。
しかし、明確な言葉がない場合でも愛情を実感できなくなることは少なくありません。
愛情を実感できなくなる理由で多いのが「彼から返信が遅い」「既読スルーがある」というような連絡に関することです。
この悩みを抱えている女性の多くは、つきあう前やつきあったばかりの時には頻繁に連絡があったことや返信が早かったと言います。しかし、つきあってしばらくすると、すぐに返信が来ないことや時々既読スルーもあるというわけです。
そういった悩みを持った人に、最後にLINEをした時期を尋ねると、昨日あるいは今朝という人もいます。LINEをしてまだ一日も経っていないのに、返信が遅いと思われてしまうのは、平成、令和ならではといってもいいでしょう。
昭和世代と平成・令和世代を比較するテレビ番組を最近よく見かけますが、昭和世代の人でしたら、今朝LINEをして、一日経ってもいないのに遅いと思われたら困惑してしまうかもしれません。
仕事で急ぎの用事であれば、その日のうちに連絡を返す必要もありますが、急ぎの用事でもないことなら、もう少し時間の猶予が欲しいものです。
2、3日返信がなくても、それを既読スルーだと不安にならなくてもいいでしょう。
もちろん、既読スルーは文字通り「読んだけど返信をしていない状態」ですが、たいていの場合、悪意があって放置しているわけではないと思います。
内容の緊急さにもよりますが、返信が数日後であっても問題が生じないことであれば、返信が遅いたびに不安になる必要はないでしょう。
もう一つ、連絡に関する不安に「返信の文章が短い」というものもあります。
どれくらいの長い文章なら満足でしょうか。
おそらく、返信の文章が短いと感じる人は、無意識に自分が送っている文章の長さと比べているのでしょう。自分と同じぐらい愛情があれば、同じぐらいの文章の長さで返信してほしいという願望があるのかもしれませんね。
返信の文章が短いのは、単に「短い文章で用が足りるから」と思っているのではないでしょうか。また、多忙な時、疲れている時は、とりあえず返事をしておこうという人もいます。状況や体調によって、文章の長さも変わるのです。
そして、もともと文章で表現することが苦手な人もいます。文章が苦手な人は、返事を考えるのに時間もかかりますから、時間に余裕がない時には、返事を後回しにすることもあります。後回しにしたことで、返信が遅くなってしまうと、フォローの言葉も考えなくてはならないので、余計に時間がかかってしまうこともあるでしょう。女性が、返信が遅い、内容が短いと思っている時に、実際は男性の方があれこれ悩んでいるのかもしれません。
このような返信のスピードや文章の長さは、LINEやメールだけにいえることではありません。
実際に会っている時にも同様な不安に陥ることがあります。
たとえば、デート中に何か聞いてもすぐに返事をしないことや「うん」「そうだね」と短い返事をする場合もあります。
こういう時に女性は、「対応が雑になった」「冷たくなった」「好きだよと言ってくれなくなった」など、不満や不安がふつふつと湧いてくるようです。
確かに、付き合ったばかりの頃は、たくさんの会話があったかもしれませんし、好きだよと言っていたかもしれません。ですが、それがなくなったからといって、愛情もなくなったとはいえないでしょう。むしろ、お互いにわかりあえているからこそ、あえて言葉にしないこともあります。また、愛情を言葉にすることを照れてしまう人、恥ずかしい人もいます。
『既読スルーの相手に、やって良いこと悪いこと』
相手からの愛情を感じなくなって不安になった時に、ついやってしまう不安を増幅させる行動があります。
その日のうちにLINEの返信がない時に「何で返信してくれないの」という意味のメッセージを送りたくなりませんか?
確かに、何で返信しないのかを知りたくなりますが、できるだけ避けた方がよいです。なぜならば、そのメッセージを受け取った男性は、女性が気分を害している、あるいは怒っているのかと思ってしまうからです。
実際は、女性は不安になっているだけで怒っていなくても、男性には、不安よりも怒りの想像をさせてしまうのです。そして、怒っている女性に対して、どのような文章を送ったらいいのかを悩んでしまいます。悩むということは、返信するまでに時間がかかりますから、余計女性は不安になってしまいます。
このようなお互いの勘違いが、しなくてもよい不安や苦痛を増悪させてしまうのです。
その日のうちに返信が来ない場合は、翌日いっぱい待ってみましょう。そして、翌日にも返信が来なかった時には、その次の日に、必要な内容だけを短文で送り、「忙しい時にごめんね」と付け加えることで、男性は女性が怒っていないんだと安心し、返信もしやすくなります。
また、「この前体調が悪そうだったけど大丈夫?」と相手を気遣う言葉も良いでしょう。
LINEが普及したことで、恋愛関係にある人達の連絡方法も変化してきました。昭和世代の人のように電話が連絡方法の主流だった頃は、直接電話で話すことによって、相手の話し方や声のトーンで、喜んでいるのか、怒っているのか、それとも心配しているのかなどの感情も察することができました。
ですが、LINEのように文章のやりとりがメインになってきた現代では、絵文字を使って感情表すことはできても、文字だけのやりとりになるとお互いの感情を察するのが難しくなっています。
LINEのやりとりで、相手の愛情が感じられなくなった時に、最もやってはいけないことは、LINEで相手に愛情がなくなったのかを尋ねることです。特に、感情的な文章を送ることは避けた方がいいでしょう。
相手の愛情が感じられなくなった時には、まず、「愛情がない」とはっきり言われたかどうかを振り返ってみてください。
「愛情がない」とも言われていないのに、ただ返信が遅いことや既読スルーが数日あっただけで、「愛情がない」と決めつけないようにしましょう。また、愛情がなくなったのではないかと不安になって、想像を膨らませないことです。
「返信が遅い→愛情がなくなった→浮気をしている」とすぐにこう考えるのは短絡的です。
もし、このような考えをしてしまったら、いったん相手のことを忘れて気分転換をしましょう。大自然に触れて、心を不安から解放させてあげてください。
また、親しい友人に、不安をぶちまけるのもいいでしょう。
心がリセットされたら、相手に対する気持ちにも余裕ができますし、思いやりのある接し方ができると思います。
どうしても連絡が早く欲しい時には、最初から「急ぎなので返信待ってます♪」と付け加えておけばいいでしょう。
愛情が感じられなくなる時、人は悪い方に想像を膨らませる傾向があります。その妄想は、負のオーラを引き寄せてしまいます。
負のオーラを漂わせていると、妄想が現実になってしまうことさえあります。
ですから、相手の愛情に不安を感じた時には、悪い想像をする前にしっかりと現実を見るようにしましょう。そして、相手に対して感情的にならずに、思いやりを持って接することが大切です。
自分の負の妄想を信じるよりも、相手の愛情を信じられる関係になれたら、とても幸せな恋愛といえるでしょう。